彼じゃなくって、私が決める

30代キャリア女子の奮闘日記

急ぎすぎないで、まずはアメリカの保険制度を理解しよう

今回の記事は

  • 9月の冷凍をリスケジュールした経緯
  • アメリカの保険での薬のカバー率
  • アメリカの会社の福利厚生(不妊治療は別の福利厚生枠があった)
  • 薬局別の値段差

について記載しています。

 

 

 

さて、いざ薬局に行ってOvidrel(排卵を促す注射)をもらって今日からサイクル開始だっ!と意気込んでアップタウンの薬局に行ったら、、、

 

ドクターから薬局に発注されてなかった!!

 

なんてこと!昼間に携帯に今日薬を受け付けました、ってメッセが来ていたので間違いないと思ったら、なんとその注文は他のホルモン剤で、今日必要な薬じゃなかった。

 

えー、コロンビアのナース仕事できないんじゃないかっ!?っていう。。

 

初回診断の後もこのナースとスケジュールについて話し合う予定だったのですが、面会時間を7:45AMに設定していたら、電車が遅れたから間に合わなかったとか。

 

私も仕事忙しいので、30分待っても現れなかったのでドクターと話してオフィスに向かったのですが。

 

アメリカっぽい。適当!プロフェッショナルなところではこの遅刻は普段なら体験しないので、ちょっとびっくりしましたが。(逆に言えば、デリバリーとか、電気の工事とかは驚くべきほど時間を守りませんので、遅刻が当たり前ですが)

 

9月のサイクルで卵子冷凍するのに必要な注射(トリガー注射)は手に入りませんでしたが、幸いなことに、薬局で冷凍過程に必要な実際の薬の値段を全部入手することができました。

実は今日必要な薬がなかったことで、薬の値段も把握できたし、プロセスが遅れてよかったのかも、と思いました。

 

結局、11月のサイクルで始めることにしました

理由は

  • 今のサイクルでやろうとすると手術の時にちょうど出張が入りそうだったこと
  • 仕事が劇的に忙しくて、色々調べたり2、3日おきに病院に通うのが難しいこと
  • 薬が予想外にお金が掛ってしまいそうでもっと調べたかったから

 

ナースに話したところ、AMH(どのくらい妊娠能力があるか)の値は2ヶ月で変わることはないとのことで、しっかり準備してから始めることにしました。

 

2ヶ月遅くすると、2ヶ月分の冷凍庫代の$200も払わなくていいですからね。(せこいw)

 

ということで、薬代の調査です。

 

全部の薬が保険でカバーされている訳ではなかった!

アメリカで冷凍する方必見です! 

 

私のうっかりミスですね。ドクターから発注されているんだから全部保険でカバーされるだろうと思っていたら、保険を使うためには病気であるというドクターから治療目的で使う薬であるという証明書(Prior Authorization)が必要なんですね。

 

私は他の病気が原因で卵子冷凍をする訳ではないので(ガンになったので、薬物治療の前に卵子冷凍、という理由なら保険はおります)、総額$2,000くらいは払うことになりそう。

 

保険情報を全て入れてみても、カバーされている薬は6つのうち、たったの2つだけ。

 

高額だったので、一旦宿題として持ち帰ることにしました。

 

アメリカの保険はこう動く

 

不妊治療に使われる特別な薬であるため、取り扱っている薬局の数が少なくあまり選択肢はなかったのですが、アメリカの場合、自分の入っている保険のPrefered Pharmacy(保険会社と提携している薬局)で薬を購入すると、一番保険のカバー率が高くなります。

 

その前に、Deductible(控除)とOut of Pocket(自己負担)の概念を理解しておく必要があります。

 

Deductible(控除):保険が適応される前に自分で払わなければいけない額。私のプランだと$2,000自分で医療費を個人負担後に保険が適応されます。

Out of Pocket(自己負担):Deductibleに達した後、自分で支払う最高金額。私のプランだと$4,000。

 

一度Deductible(控除)に達すると保険が適用されますが、100%はカバーしてくれません。例えば保険は20%しか払ってくれないので、その他のお金はOut of Pocketに達するまで、自分で払わなければなりません。つまり、私の場合は、$2,000まで一切保険が適応されず、$2,000まで自分で払った後から保険が何割か医療費を払ってくれますが、支出が$4,000に達するまでは医療費を払い続ける。逆に言えば、一端、合計$6,000を自分で払ってしまえば、その後でかかる医療費はすべて保険が負担してくれます。

 

使うなら、60万円しまえば使い放題、そんなに使わないなら俄然、少額に抑えたい、といったところですね。

 

保険会社に年間でいくらか保険料を払っていますよね。

当たり前ですが保険によってプランが違ってプランによって、全ての金額が変わります。

 

私はシングルで扶養家族がいないため、病院に行かない前提で一番安い保険に入っているのですが、今年はすでにDeductible(控除)の上限とOut of Pocket(自己負担)に達しています。

 

そのため、治療目的に使われる薬は全て保険のプランがカバーしてくれるのですが、自分で始めた卵子冷凍なので(病気が原因ではないので)、全部はカバーされませんでした。

 

そして恐ろしいのが避妊治療にはLife Time Maximum($10,000)が設けられていて、不妊治療に払ってもらえる保険はは生涯でいくらまで、と上限があるんですね。

 

恐ろしい。

 

そして、今回保険でカバーされている薬がものすごい高額で、今回保険を使ってしまうと将来に不妊治療が全額負担になってしまうという。。

 

というか、不妊治療しなくていいように冷凍を決意したんだから、今この保険を使わないとこのお金は一生もらえないお金かもしれないと考えると、まぁ使ってもいいのかも。と思うのですが。

 

この選択は人生ゲーム

 

AかBどちらも同じだから二種類の方から好きな方を選んでいいよ、と言われている薬があって、Aだと保険適応外の薬で自己負担が$700くらい。Bだと保険適応されていて、自己負担額は$0だけど、不妊治療保険の半分くらいを使ってしまうという。

 

今の払う$700の方が高額なのか、将来不妊治療が必要になった時に払う自己負担額の方が高額なのか。

 

そもそも私は不妊治療が必要になるのか。。。

 

(ちなみに、冷凍した卵子は解凍して体内に戻すことはできないので、冷凍した卵子を受精させるのは、不妊治療の一貫に考慮されます。)

 

もっと保険の、福利厚生の知識が必要だっ

 

ということで、勤めている会社に問い合わせてみたところ(保険は勤めている会社経由で入ります)、

  • 加入している保険会社を変えてもLife Time Maximumは引き継がれるため、今使ったお金は戻ってこない
  • 保険プランを特別なものに変えることで、Life Time Maxiumを今の3倍まで引き上げることができる

ということがわかりました。

 

しっかり理解できなかったので明記しませんが、将来配偶者の保険を使おうと思っても(だって男性って女性より不妊治療費かかりそうにないじゃないですか!)そうはうまく行かないんだとか。私個人に対しての医療費で、男性が女性用の治療の医療費を持つことができないんだと思います。

 

安易に考えた結果。

 

今、保険を使ってしまって、将来必要になりそうなら加入保険プランを変更して保険額を釣り上げたらいいじゃないか、という結論に。

 

何より、高額な不妊治療をしなくていいように卵子を冷凍するんですから。

 

英語ではChicken and Eggと言います。どっちが先なんだっけ?と。

 

不妊治療しなくていいようにするために卵子冷凍するんですよね。なぜに不妊治療しなければいけなくなる、と頭の隅で考えてるんだっけ?と。(ここでいう不妊治療は、冷凍した卵子を使うので、冷凍していない人に比べて必要以上に治療しなくていい*という意味です)

 

そして、冷凍を始める日が遅れたのと、保険の話があったのでナースにお願いしてPrefered Pharmacyを含め幾つかの薬局に薬を注文してもらうことにしました。

 

 薬局によって値段が違う!?

Preferred Pharmacy(提携薬局)含め、ナースにお願いして3つの薬局に処方箋を出してもらって値段を比較してみました。3つに絞った理由は、薬を取りにいけないのと、デリバリーがタダかどうかわからなかったからです。

 

薬の値段確認は全て電話だったので、とってもめんどくさかったのですが、これはやってみてよかったです。

 

というのも、薬局によって同じ薬でも数百ドル単位で値段が違いました。そして6種類もオーダーしなきゃいけないので、合計額がだいぶ変わってきます。

 

Preferred Pharmacy(提携薬局)が一番保険が効くと言われているのですが、保険対応外の薬だと、一番安いわけではないという事実も発覚。

 

結論は、保険の使える薬と他の薬局より安い薬はPreferred Pharmacy(提携薬局)から購入して、自己負担の薬は安いところから取り寄せよう、ということ。

 

(エクセルでバッチリ表まで作って計算しましたよー(泣)

 

ただ、いくつ薬が必要かは私の卵子生成能力に関わってくるので、ナースにもう一回薬の詳細を聞いてからオーダーを最終決定しようと思いました。

 

そして、保険会社に問い合わせたところ、Prior authorization (または preauthorization)がないから保険のカバー率が低いんじゃないか、と言われました。

 

これは治療目的で使う薬の必要性を医療機関から薬局に出してもらわなければいけないんですね。

 

そこで処方箋のオーダーを出してくれているナースにPrior authorizationのことについて確認中です。   

 

 

これらの作業。。。

 

 

私はただ卵子を冷凍していうのではない。アメリカの保険について身を持って知識を得ているのだ。

 

と思いました。

 次回は、昨日行ってきた卵子冷凍に関するセミナーの内容と感想を紹介させていただきたいと思います。

 

 

追記です

この記事を書いていた時点では、Prior authorization (または preauthorization)も適応される保険制度のことも、まだ調査不足でしたが、最終的にPrior authorization は無事もらえ、Fertility(不妊、妊娠にかんする)保険を上手く適応することができました。

その内容を別の記事にまとめていますので、保険制度に興味のある方、アメリカでEgg Freezingされる方はぜひ参考にしてください。

ks-think-through.hatenablog.com