Egg Freezing 101 卵子冷凍のいろは、基礎知識
Extend Fertility(卵子冷凍の先駆者となった医療機関)がEgg Freezing101という無料セミナーをマンハッタンで行なっていたので、仕事帰りに参加してきました。
エンパイアのすぐ近くの場所でした。
卵子冷凍とはなんぞや、と思っている人はこの記事から読み始めて頂ければ、と思います。
そもそも101って!?
アメリカでは、この101(ワン・オー・ワンと読みます)の表現が多いのですが、これは基礎編、初級編、という意味です。
ということで、卵子冷凍初心者コース、的な?
このセミナーでは初歩的な知識や、流れについて教えてくれるのと同時に、質問があればそれにドクターが応えてくれるというセミナーで、簡単に言ってしまえばExtend Fertilityのマーケティングイベントですね。
最後に、このセミナーに参加した人は、初回カウンセリングが無料になります、とアナウンスがありました。
ここで、妊娠力についてミニクイズ
セミナーがミニクイズから始まったので引用させてもらいますっ!
ドキッとする答えなので試してみてください。
問題
1. 生まれた時の平均で女性は卵子の数は?
A.100-200
B.1,000-2,000
C.100,000-200,000
D.1-2 million
2. 毎月いくつ卵子を失うと思いますか?
A.1
B.10
C.100
D.数百
3. 35歳で約何%の卵子が残っていると思いますか?
A. 6%
B.10%
C. 35%
D. 50%
4.下記の選択肢の中で、どれが妊娠に影響しないと思いますか?
A.年齢
B.喫煙
C.ピルの服用
D.遺伝
答えは、写真の下。マーケティングイベントだったので、チーズにハム、フルーツにマカロン等が用意されていました。
答え
- D 1-2million
- D 数百
- A 6%
- C ピルの服用
最初は1-2millionも卵子があるので大丈夫じゃないか、と思うのですが驚くべき速さで失われていき35歳ではたったの6%になってしまうんですね。
恐ろしい。
ミニクイズのあとは、なぜ冷凍した方がいいのかの解説でした。
このgumball machine(ガムボールマシーン)のイメージがわかりやすかったので紹介します。 どうでもいいのですが、ドクターが”Gumball Machine”と言う度に最初は聞き取れず、こいつ何を言ってるんだ?と思っていました。
何を意味しているかというと、白いボールが健康な卵子で、色のついているのがダメージを受けたもの、何か異常のあるもの、健康でなくなってしまった卵子です。
つまり、若いうちは、質・量ともにいい。
しかし、年齢を重ねるにつれ、質・量ともに悪くなる。
ガムマシーンの図、見たままですね。
ポイントは質と量
そしてAMH(アンチミューラリアホルモン)についても述べていました。
私が下手に解説するよりもこのサイトがわかりやすいので、こちらをご覧ください。
AMHは卵子の在庫の量に影響すると考えられています。
AMHが低すぎると卵子の在庫が少ないということなので、このAHMの値は毎年検査した方がいいと先生はおっしゃっていました。
というのも、血液検査で簡単にできる検査なので。
AMHの値も高ければいいというものでもありません。というのも、AMHは数(量)に関係する数値でしたね。AMHが高く、不健康な卵子を数多く生成してしまうと、それは逆に問題になります。
卵子の大事なところは質と量。良質な卵子を生成する必要があります。
私は初期診断の際に検査してAMH3.9(ナースには4と言われました)で、32歳では素晴らしい値だ、と言われました。
ちなみに、このホルモン値だけでは正確なことはわからないので、実際に卵巣内を覗くエコー検査と併用して卵子の数を確認するのが大切何だとか。
じゃぁ質はどうやって判断するの?
とっても重要な質!さぁこれはどうやって判断するのか。
結論からいうと、質はいざ受精させて見るまでわからないのだとか。
質は、エコー検査ではわからないし、実際に卵巣から摘出して、冷凍+解凍に成功しても受精させてみるまでわからないのだそう。
なので、冷凍するにしても10個以上は冷凍しておきたい、ということです。
また出た、卵子冷凍年齢と成功率のグラフ
以前のブログ 卵子冷凍 初回カウンセリング で紹介させてもらったのと同じこのグラフが出てきました。
少しおさらい
読み方
- 年齢別で自分がA,B,C,Dのどこにいるか(グラフの中に書いてある、30−34とかが年齢層)
- 横軸が冷凍できた成熟した卵子の数で、縦軸が成功率
- 一人子供が欲しい場合、青色のグラフを参照。二人の欲しい人は赤色、三人は緑のグラフ
私の場合
初回カウンセリングに行った時はそこまで気にしなかったのですが、HuffPostに引用されていたとある研究(これも違うブログで解説します)を読んでいて、37歳で卵子冷凍するのが一番費用対効果がいい、という結論が気になって仕方なかったんです。
このグラフもよく見ると、30歳から34歳で冷凍する場合と、35歳から37歳で冷凍する場合とで、成功率はあまり変わっていませんよね。若干低くなっていますが、劇的に低下している訳ではありません。
せっかくなのでドクターに聞いてみたところ
確かに、成功率に大差はないけれども、例えば15個の卵子を取り出すために、30代前半なら一回のサイクルでいいかもしれないが、37歳になると2回のサイクルを実行しなければならない。
確かに、経済的に今払うお金は高いかもしれないが、今払っておく方が賢い選択であると言える。(アメリカで卵子冷凍、一回につき総額$15,000~$20,000!これ×2回は厳しい!)
確率は平均で人によっては全く違った結果になるので、確率を信じで今のお金をセーブするのか、将来のために投資するのか、どちらがいいと思うかな?
という答えをもらいました。
そして、ドクターが経験則から決定的に言えることは、卵子は若い方がいいにこしたことはない、と。
そこまで言われたらやっぱり早めに実行しておこう、と思いますよね。(私の場合はもうお金を払っているので、やることは決まっていますが。ちなみに、途中でやめた場合、キャンセル料$2,000が取られていましいます。キャンセルに20万以上も!?契約書に書いてありました。ビジネスですねー)
不妊治療の成功率
このグラフも紹介されていたのでペースト。
このグラフも若い卵子の方がいい理由を後押ししてくれていますね。ドナー卵子は通常は20代の若い子の卵子をもらいます。
このように、色々なデータの説明があったあと、最後に実際の流れについて説明がありました。
実際の卵子冷凍のステップ
繰り返しになりますが、私の実行しているところと違う医療機関なのでステップを紹介しておきます。
- 初回検査(血液検査とエコー検査)による現状確認(30分から45分)
- ドクターによるコンサルティング(検査結果の見直しと個々の現状に沿った目標設定、1時間)
- 卵子冷凍に関する知識のクラス(ホルモン注射の仕方、サイクルなどプロセスの説明、2時間)
- モニタリング(実際のホルモン投与の期間)8−12日
- 卵子摘出(実際の手術、15分から20分)
- 冷凍、保存
*ちなみに、卵子の摘出手術は、実際にメスを使う訳ではなく、ドクターが子宮に針入れて、卵子に針を刺して取り出すので、切ったり縫ったりしません。
最後に質疑応答の内容を少し。。
参加者からあった質問とドクターの回答を紹介します。
Q.受精卵を冷凍させておく方が成功率は高いの?
A.受精卵の方が卵子が生き残る可能性は高いです。しかし、近年はフラッシュフリーズ(高速冷凍)技術ができて、受精卵でなくても生き残る確率が格段に上がっています。
A.持ち出せます。国内輸送ももちろんできます。
Q.いつまで冷凍できるの?
A.無期限です。イギリスでは10年しか冷凍してはいけないという法律がありますが、もうすぐこの法律は改定されるそうです。
Q.自分が冷凍した卵子を使わなかった場合、どうなるの?
A.誰かに譲ることもできるし、研究期間に寄付することもできます。
などなど。
なかなか面白いセミナーでした。
Extend Fertilityだと麻酔が初期コストに含まれているとこと、かつ、2回目のサイクルは安くなることから、総額では安くなるのかな。と思いましたが、おそらく私の保険提携医療機関でないのと、レビューが悪かったのでここでは冷凍しませんが、少し惹かれました。
このセミナーのおかげで卵子冷凍について、さらに理解が深まったので参加してよかったな、と思いました。
そしてセミナーに20%くらい日本人がいてちょっとびっくりしました!