卵子冷凍の意義、冷凍パイオニアたちの声も混ぜて
今回の記事は
について記載しています。
さて、このブログでは30代、独身キャリア女子の焦りをつらつらと述べてきたのですが、そんな大枚をはたいてまで卵子冷凍する価値はあるのか?ということを議論していきたいと思います。
大まかには決心していたのですが、もっと立証データや実際の体験談が知りたい、ということで、読書好きの私がアマゾンで見つけたのが、この本。
Motherhood, Rescheduled: The New Frontier of Egg Freezing and the Women Who Tried It
レビューの評価が高く、もしも卵子冷凍を考えているなら、読んだ方がいいよ、とオススメされていました。
2013年にSimon & Schusterから出版された本で、著者のサラ(Sarah Elizabeth Richards)は医療、サイエンス、心理学に特化した数々の受賞歴のあるジャーナリストで、彼女の卵子冷凍の実体験と他3人の女性の実体験を綴っている、ノンフィクションのお話です。
登場人物の全員が30代後半で、サラ自身も36歳で、他の女性たちは38、9歳と40代間際で卵子冷凍を決意し、実行したこと。
そして、この本の面白いところは、卵子冷凍の過程だけでなく、どうして彼女たちが卵子冷凍に至ったか、彼女らの結婚、離婚体験、恋愛体験を赤裸々に述べているところです。
以下ネタバレが含まれますが、本の内容を少し。
登場するそれぞれの女性がみんな違った悩みを持っているわけですが、みんな30代後半まで全く恋愛も結婚もうまくいっていない。
結婚していたが、離婚してしまい、でもやっぱり子供は欲しい!2回目の結婚に踏み切れない。ずっと独身だけど、なかなかいい人に巡り会えない。
彼氏はいるけど、彼が子供を持つ決心ができない。(これは、アメリカっぽいな、と思いました。)40代にもなって父親になる決心ができないなら、さっさと別れるべきだと思うのですが、ずっと彼とボーイフレンドでい続ける。せっかくいい人に会えたと思っても、やっぱり別れてしまう等。
共感できる内容満載なのですが、もう辛くて辛くて、読んでいてかなり号泣してしまいました。
パートナー選びから、その後の話も
登場する女性たちが42、3歳になってようやく生涯の伴侶を見つけ、自然妊娠を最初は試すも無理で、いざ、凍結した卵子を解凍する時がきます。
冷凍した卵子を数回にわけ解凍し、人工授精を試みるも、成功するケースと失敗に終わるケースの両方が描かれています。何度も妊娠初期で流産したり、と。本当に残酷な事実を突き付けられました。
パートナーが見つからない女性も
そして、一人は結局伴侶が見つからず、それでも母親になりたくて、ドナーの精子を使ってシングルマザーになる決意をすること、など。
最後の最後まで、どうなるのかハラハラドキドキな内容で、もちろんうまくいってハッピーなケースもありますが、みんながみんなそうでない、ということ。
そして、卵子冷凍や不妊治療の過程で彼女ら全員が、とても悩んで、苦労して、10年以上前の話なので、今よりも大枚をはたいているということ。
それでも失敗するケースもあるということ。
もしもあなたが今、結婚していてもいなくても、何かしら恋愛関係において悩みを抱えているなら、この本に登場する女性の誰かの状況にものすごく共感できると思うんです。
日本語訳は出版されていないようですが、興味があればぜひ読んでいただきたいと思います。でもここで述べたように、非常に辛い内容なので覚悟して読み進めてください。キンドル版だと15ドルくらいです。
この本は果たしていい本だったのか!?
辛すぎて、読むのを途中でやめてしまったりもしましたが、とにかく彼女らがどうなるのか、救われるのかが気になって2週間以内に読みきりました。
この本を読んでいる最中は気が付いていなかったのですが、読んでいた2週間の間、ものすごいストレスが自分にかかっていたように思います。
というのも、私自身がせっかくうまくいっていた彼とうまくいかなくなった時期であったこと、そんな中、何度も何度も恋愛で苦労する女性の話を何通りも読んでいたからです。
40代前半まで誰にも出会えないなんて辛すぎます。私はそうはなりたくないな、と。
著者の結論は?
この本の結論として、著者のサラ自身も本当に卵子冷凍する価値があるのか?ということについて述べています。
この本が出版された当時の成功率は30−40%、本でも2人が失敗に終わっています。
でもお金や成功率の問題ではなくて、全員がベイビーパニックから解放されて生活できたことに意義があると述べられています。
あと、ベイビーパニックから解放されたから結婚相手が上手く見つかったとも。なので、ただ単に成功率の是非ではなく、サラは
Egg freezing gave me time to explore and enjoy a lovely relationship and become reday to be a mom.
と述べています。
早く結婚したい、かつ、子供が欲しい、そんな理由から、ある程度自分の条件を満たす彼と”間違って”結婚してしまった場合、最初の数年はいいかもしれないけど、後々の結婚生活が心配ですよね。この点を考えただけでも、生物学的な観点からの焦りを緩和できることに意味はあると思うんです。
そして、この本の女性たちが卵子冷凍をしてから今はもう10、15年以上も経っているので、今は、冷凍、解凍の医療ももっと進歩していて成功率も上がっています。
この成功率も一概には言えないところがあって、というのも、全て個人の卵子生成能力や、いざ解凍した時の年齢、体調に左右されるからです。
私が色々な記事をみて個人的に出した結論は”一回冷凍すると決めたら卵子は最低15個以上冷凍した方がいい”最低10個と述べているサイトも多いですが、私は15個。理由は15個だと凍結した卵子から、いざ出産できる成功率が上がるからで、理由は下記。
- 多く卵子を採取できたとしても、全部が成熟しているとは限らなく、冷凍、解凍の過程で使えなくなる卵子もある
- その生き残った卵子の中でもいざ受精できる確率はまた個人差があるけど2/3くらい
- そしてさらにそれが着床できるかは年齢に大きく左右される
これ全部書くと、多分30個冷凍するのがいいんですね。二人子供欲しいし。体力的に、あと経済的に大丈夫なのか、っていう。。。
こんなに確率が低く、不確定要素も多い卵子冷凍ですが、私自身の考えとしても、冷凍するとこに意味はあると思うんです。
少なくとも今抱えてる
- 一刻も早く結婚相手を見つけなきゃ
- 一生付き合うのには向いてない相手でもどうにかして二人の関係を直そうとする、もしくは自分を大きく変えようとする(20代なら別れていたと思うけど、なかなか別れられない)
という問題を改善できると思うんです。
やっぱり、不満があるのに、自分を変えてまで恋愛関係を上手く行くようにしようっていうのは違うと思うんです。もちろん、今まで上手くいってないので、自分も直さなければいけないところが山ほどあるのは承知ですが、結婚や子供のために自分がリラックスして一緒に過ごせない相手と、それでも上手くいかせようとするというのは、間違っていると思うんです。
あと、将来いざ子供が欲しいという段階になった時に、すでに手遅れだった、という事態をどうしても防ぎたく。
私の性格上、そこに手段があるのに行動しない、というのは許せません。
試してダメかもしれない、でも何も挑戦しないより、挑戦はしたんだということが大切で。もしこれでもダメなら、その時はその人生を受け入れましょう。
悲報ばかりではありませんよ、朗報もここに
もう一つ、違う情報源で、成功している人の件です。彼女は一回目の人工授精で成功して、「冷凍していて本当によかった」とコメントしています。40歳過ぎてやっとママに慣れました、と。最近の記事ですね。
日本の最近のニュースはもっと明るい結果がいっぱいでしたよ。
何を信じるか、どこから情報を持ってくるか。
このサラの本は異常に過酷な現実を突きつけてきましたが、それはパイオニアの話だから。彼女らのおかげで今の成功率があるんですね。感謝です。
記事を書いている人によって記事の内容も違いますが、人生はそんなに辛く過酷なものではないのかもしれません。
体験記等のがまだあまり出版されていないので、私はこの本に行き着きましたが。どうして最初に手にとった本がこんなに悲観的だったんだろう、と思いつつも、読んでよかったな、と思います。
読み終わった今でも、決心も揺るがず、気持ちも少し楽になりました。そしてダメでも挑戦したことに意義があって、その時はその時で受け入れられる強さもほんの少しだけ身についたようにも思います。
余力があったら他の本も読んで、アップデートしたいと思います。
今週、卵子冷凍の初回カウンセリングがあるので、随時アップデートしたいと思います。